腹腔鏡手術とは

お腹を1~4ヶ所切開し、3~30mmの小さな穴に専用の手術器具を挿入し、腹腔内の画像をテレビモニターで観察しながらさまざまな処置を行います。患部の切開や切除、吸引、焼灼、止血、縫合などを行う内視鏡手術の一種で、もっとも実施頻度が高い手術です。

腹腔鏡手術のメリット

腹腔鏡手術は従来の開腹手術と比較し、以下のようなメリットがあります。

  • 切開傷が小さく、術後の痛みが少ないため、身体への負担が少ない
  • 入院が短期間で腹腔内が癒着する可能性が低い
  • 開腹手術に比べ、退院後の社会生活への復帰が早い
  • 開腹手術に比べ、傷痕が小さく目立たない

上記の理由から腹腔鏡手術は「身体にやさしい手術」として世界中に普及しました。

単孔式腹腔鏡手術とは

基本的に一ヶ所のみの切開孔で処置をする腹腔鏡手術です。単孔式の切開孔は20~30mm程度で、従来の開腹手術の50~300mmより格段に小さく、傷痕が一つなのでより目立ちにくくなります。手術は日本産婦人科内視鏡学会の技術認定医が担当し、麻酔管理は日本麻酔科学会専門医が行います。

腹腔鏡手術の特長

01.キズが小さい単孔式手術を採用

エンジェルベル婦人科・皮膚科クリニックでは1ヶ所のみ切開する単孔式を中心に腹腔鏡手術を行います。来院時に下腹部を大きく占拠するような子宮筋腫も、単孔式手術で対応できる場合があります。ただし、患者様の疾患の状態や手術時の安全性確保のため、二ヶ所以上の多孔式に変更する場合がありますので、詳しくは主治医にご相談ください。

  • 単孔式の切開創 例
    全腹腔鏡下子宮摘出術の症例(術後4週間)
    術後創部の状態は個人差があります。
  • 二孔式の切開創 例
    腹腔鏡下子宮筋腫核出術の症例(術後約3ヶ月)
    術後創部の状態は個人差があり、症例によってキズの大きさが多少異なってきます。

02.手術は最短一ヶ月以内

患者様をお待たせしないために、エンジェルベル婦人科・皮膚科クリニックは初診から最短1ヶ月以内の手術が可能です(2018年3月時点)。不妊症関連の患者様などは特に早く手術することが必要です。帝王切開や開腹手術歴の有無や回数は問わず、主治医が診察で手術の可否を判断し、患者様と調整いたします。お子様連れで入院することもできますのでご相談ください。

03.チーム医療で対応

大学病院クラスの最新医療設備を完備し、複数の医師がチーム医療で対応いたします。

04.総合病院より安価な費用

病院と診療所である当クリニックでは入院基本料が異なります。同じ手術を病院で受けられる場合と比べて入院費用は抑えられることが多く、患者様のご負担も軽減されます。

腹腔鏡手術が適応される例

子宮筋腫の手術

  • TLH全腹腔鏡下子宮全摘術
    子宮筋腫や子宮内膜症などに適応される腹腔鏡手術で、子宮をすべて摘出します。子宮の大きさが正常の約5倍(500g)までなら、ごく少量の出血で手術を行うことができます。術後は月経が無くなり、生理痛などの症状から解放され、卵巣は温存するため、ホルモンバランスが崩れることもありません。
  • TLM全腹腔鏡下子宮筋腫核出術
    主に妊娠を希望される方の子宮筋腫に適応される腹腔鏡手術で、子宮は温存し、子宮筋腫のみ摘出します。筋腫の数が多い、または大きい場合は子宮全摘術より時間がかかり、出血も増えますが、輸血の必要はほとんどありません。子宮の温存により再発の可能性があるため、小さな筋腫もなるべくすべて取り除くことが重要です。

卵巣腫瘍の手術

  • LC腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術(附属器切除術)
    卵巣腫瘍に適応される腹腔鏡手術で、腫瘍部分のみ摘出し、正常な卵巣を温存する方法と、閉経で卵巣機能がない場合などに卵巣を全摘する方法があります。比較的簡単な手術のため、最短で10分程度、長くても1時間ほどで終わります。開腹手術よりメリットが大きく、腹腔鏡手術がもっとも適している手術です。
  • 腹腔鏡下子宮内膜症手術
    近年、増えている子宮内膜症に適応する腹腔鏡手術です。子宮内膜症は生理痛や不妊症の原因となります。難治性で手術が必要なことが多く、特に不妊症の患者様は手術が必要です。腹腔鏡により卵巣にできるチョコレート嚢腫や、子宮腺筋症、骨盤内膜症などを治療します。チョコレート嚢腫はガンになる恐れがあるため、特に注意が必要です。子宮内膜症は閉経時期の50歳過ぎまで進行・悪化する病気で、進行すると手術が大変難しくなるため、妊娠を希望される方は早めの治療をおすすめしています。手術時間や難易度は患者様の症状の程度により異なり、がんの手術より難しいことも少なくないですが、腹腔鏡で拡大視することで開腹手術に比べ、丁寧で細かい手術をすることができます。
  • 悪性腫瘍手術
    子宮頸がんや子宮体がん、初期の卵巣がんなどに適応する腹腔鏡手術です。腸など他の臓器に対するダメージが少なく、開腹手術より術後の回復もよいというメリットがあります。拡大視を用いることで出血を大幅に抑えることができ、がんの転移を防ぐため、リンパ節を切除するのに最適です。
  • 子宮鏡手術
    子宮内腔にできた筋腫やポリープなどに適応する手術です。腹腔鏡で使用するようなカメラで子宮の内側をスコープし、手術を行います。

腹腔鏡手術についてのQ&A

Q.麻酔はどのように行うのですか?
A.腹腔鏡手術は全身麻酔、子宮鏡手術は下半身のみの腰痛麻酔を行いますので、手術中の痛みはまったくありません。術後も軽い痛みがある程度ですが、支障があれば鎮痛剤で取り除きます。

Q.入院期間は何日くらい必要ですか?
A.長くて1週間程度ですが、術後の状態がよければ早く退院できます。日常生活を自分でできるようになることが退院の目安です。

Q.術後の食事や入浴はいつからできますか?
A.手術当日は食事ができませんが、翌日から普通食が食べられます。入浴やシャワーも早ければ翌日から利用できます。

Q.退院後の生活や職場復帰はどのようになりますか?
A.手術の内容や患者様の体調によりますが、デスクワークであれば退院直後から可能です。入院中の体力低下もあるため、退院後1~2週間は家事のみで様子をみて、仕事内容を調整し、自信がついたら職場復帰をするようにおすすめしています。ウォーキングや体操は退院直後から可能ですが、激しいスポーツは1ヶ月程度控えていただきます。

Q.開腹手術をしたことがありますが、腹腔鏡手術はできますか?
A.手術の内容にもよりますが、ほとんどの場合で腹腔鏡手術は可能です。

Q.手術を受けるのに、筋腫や卵巣腫瘍の大きさなどの制限はありますか?
A.大きさの制限はありません。手術の時間がかかる場合はありますが、特に大きな卵巣腫瘍は腹腔鏡手術が得意とするところです。

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